こしのえき
古紙リサイクルは、日本においては古く平安時代の漉き返しにさかのぼります。和紙は古くから再利用されていたのです。江戸時代になると古紙回収業の先駆けである「紙屑買い」や「紙屑拾い」が登場します。資源として利用価値の高い紙を漉き返してもう一度利用することが古くから行われてきたことは、日本人の心の根底にある「もったいない」の精神があるかもしれません。
エコロジーの分野において、資源の消費削減(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)を表現する言葉として「もったいない=MOTTAINAI」は世界共通の標語となりつつあります。
◎ゴミの削減と森林保護
古紙をリサイクルすることで削減することができるゴミの量はどの程度でしょうか?現在、古紙を回収・利用することにより、焼却ゴミの削減量は591万t、最終処分量削減量は33.8万tとなっています。
ゴミを削減する一方で古紙を利用することは森林資源の保護にもつながっています。古紙リサイクルにより削減することができた木材は約4,685万m3(2010年)となっています。4,685万m3を、わかりやすくイメージできるよう「東京ドーム(124万m3)何個分?」で表現すると、およそ東京ドーム37.8個となります。東京ドーム何個分というのが分かりにくという人には「古紙1トンで立ち木20本が守られる」とイメージすると分かりやすいかもしれません。
平成23年 財団法人古紙再生促進センター「古紙利用の環境に与える影響調査報告書」より
従来、ゴミや不燃物の回収と同様に古紙の回収も自治体が行ってきました。収している自治体(97.2%)が多い一方で、東京の中野区や静岡市などのように、民間サービスや集団回収に移行する自治体も現れています。
自治体が業者に委託して回収を行うと、回収にかかるコストは再資源化により得られる収入より高くなります。税負担が膨らみ、回収サービスが行き届かない状況が生まれます。古紙のリサイクル率をより高めるためには、利用者にとって使いやすくサービスの行き届いた民間の回収ステーションが不可欠となります。
古紙リサイクル工程を松岡紙業の業務の流れに沿って再現した映像をご紹介いたします。